喪失感の不幸

テレビで交通事故で奥さんと娘を亡くした旦那のドキュメンタリーをやっていた

 

悲しみの中痛々しい感じが伝わってくる

 

それを見ながらふと幸不幸について考える自分がいた

 

彼の悲しみや襲った不幸は理解できる。

一方で幸福も不幸も結局のところは比較なのではないかとも思う。落差というか

 

彼は嫁と子供を失ったわけだが、それはあったものが、あるはずのものがなくなったということだ

 

彼と同じ年齢で嫁と子供が始めからいない人など沢山いる

 

嫁と子供がいない。

という点では同じであるにも関わらず後者の場合はその事実によって身がちぎれるほどの悲しみを味わっているわけではない

 

※勿論後者も悩んでいる人はいるかもしれないが

 

そこから深めて考えていくと彼が強烈に苦しんでいるのはあったものがなくなったからであると言える。初めから無ければ苦しんでいないからだ

 

ただしここに人間の幸福の難しさがある

 

彼は嫁と子供がいた時に幸福感や充足感を実感していたんだと思う

 

本質的な悲しみ、苦しみを味わいたく無ければ初めから家族を持たない=幸福の味を知らなければいいという理屈になる

 

それはそれで本質を突いているようにも思うが、何となく仏教的な感じがして現実味がない

 

上記が仏教の教えかはわからないが、論理的に考えれば正しい事も理屈だけでは納得できないのが人間なのではないだろうか